認知症の世界~見かた・感じ方によりそって~
こんにちは、CROSの福田です。
花粉症がつらい季節ですね🤧
私は花粉症と5歳ごろからの付き合いで、自分なりの対策は慣れたものですが、
それでも毎年やってくる春の訪れは少し憂鬱です…🌸
今回は、わたしたちの人生と切り離すことができない「認知症」についてのお話です。
どんどん身近になる「認知症」
みなさんの身の回りに、認知症の方はいらっしゃいますか?
自身のご家族、ご近所の方、友人のご家族…
この記事を読んでいる方の中にも、ご自身が認知症と診断されている方もいらっしゃるかもしれませんね。
2012年の時点で認知症患者数が約462万人、高齢者人口の15%という割合でしたが(内閣府の発表)、
2025年には現状の約1.5倍となる700万人を超えるとの推計があります。
認知症予備群を加えると約1,300万人となり、高齢者の3人に1人が認知症患者とその予備軍という計算です。
認知症の最大の要因が「加齢」であることを考えても、人間は誰もが認知症と無関係ではありません。
認知症とは
認知症とは、「認知機能が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態」のことです。
最大の要因は加齢であるため、年齢を重ねていく以上誰でも発症する可能性があります。
そもそも、加齢により認知機能が低下することは避けられません。
脳機能は17歳の時点でピークを迎え、その後はゆるやかに低下(子どもがえり)していきます。
ひとたび認知症を発症すると、経過を遅らせることはできても回復させることはできないのが現状です。
認知症のある方は、それぞれに多様な問題を抱え、生活のしづらさを感じていますが、
お困り事を自分の口でうまく説明できない場合も多く、周りの方に理解してもらうことが難しいです。
「認知症の家族に何が起きているのかわからない」という情報不足が、認知症の知識やイメージの偏りにつながってしまっています。
認知症になると?
認知症があると、どのような症状があらわれるのでしょうか?
人によって本当にさまざまですが、一例として
- 買い物のとき、会計金額の計算ができない
→いつもお札ばかり出すので、気づけばお財布が小銭でいっぱいに… - 食事したことを思い出せない
→食べたことを忘れて、さっき食事をしたのにまた食べようとする… - 人の顔や名前がわからない
→親しい人や家族の顔がわからない、逆に通りすがりの他人を友人と思って声をかけてしまう… - 生活動作が思い出せない
→着替えの手順を間違えたり、自宅の電子レンジの使い方がわからなくなったり…
このようなお困りごとがよく聞かれます。
他にも、「トイレットペーパーを何度も買ってきてしまう」「目的なく歩き回る(=徘徊する)」「トイレに行けなくなる・お風呂に入らなくなる」といったような症状も、
認知症にあまり詳しくなくても、聞いたことがある方はいるのではないでしょうか。
認知症の人が見ている世界を知ろう
認知症の方の目線を持たないわたしたちからすると、ご本人に何が起きているかわからないため、
「理解できない」「ボケてしまってわけもわからず行動しているのだろう」と感じてしまいがちです。
わからないまま解決しようとするために、
「もう外出させないようにしよう」「どうせ使えないのだから家電を触らないで」といったような
ご本人の自由や能力をさらに狭める形の対策になってしまいます。
ですが、認知症がある方の症状・言動が「なぜ起きているのか」、
認知機能にどのようなトラブルが起き、世界がどのように見えているのか理解できれば、
ご本人や周囲の人にとって、よりベストな対策があるかもしれません。
『認知症世界の歩き方』
「認知症のある方が生きている世界」を、実際に見られるように
そんなコンセプトでつくられた本があります。
【2022年、いちばん売れた認知症の本!】(日販・トーハン調べ)として、知っている方もいるのではないでしょうか?
私も数年前にX(旧Twitter)でタイトルを知り、気になっていた本でした。
認知症の当事者へのインタビューを元につくられた本で、
ご本人の中で、認知機能に「どんなトラブルが起きて」「世界がどう見えて、どう感じられているか」、
その結果が「どんな行動や困りごとにあらわれているのか」知ることができます。
その対策方法についても「家の環境/持ち物を〇〇することで〇〇できるようになりました」といった経験談の形で語られており、参考にできる本です。
内容はぜひ本を読んでいただきたいです。
とても読みやすい本です。普段本を読まない私でもするする読み進められました。
認知機能に一つでもトラブルが起きると普通の生活がとても難しいものになるんだ、とわかると同時に、
その「普通の生活」ができている人間の認知機能は、実はとても高度なものだということに気がつきました。
『認知症世界の歩き方』を読み進めると、認知症によってできなくなることの一部は、実はわたしたちが「子どものころにできなかったこと」と同じだとわかります。
例えば「服がうまく着られない、ボタンを掛け違えてしまう」などは、成長過程で誰もが通る道です。
何度も繰り返すから上手にできるようになり、慣れるから当たり前にできるようになるけれど、
初めてそれをやったときを思い返せば、簡単ではなかった。
それができるようになっていくのは、人間の認知機能の力です。
でも、当たり前にできているからこそ改めて「なぜできているんだろう」と考えると、わからなかったりする。
人間の日常生活動作は、実はすごいことができているのかもしれない。
そんな気づきのある本です。
認知症の当事者の方、身近な人が認知症がある方の参考書としても、
まだ認知症を身近に感じていない人にもおすすめできる一冊です。
増えている「認認介護」
認認介護とは
ここまで、認知症について触れてきましたが、
「認認介護(にんにんかいご)」という言葉を聞いたことはありますか?
似た言葉ですが「老老介護(ろうろうかいご)」であれば聞き馴染みがあると思います。
高齢者の介護を高齢者が行うことです。
「認認介護」は、認知症がある人の介護を、認知症がある人が行うことです。
この認認介護が近年増えています。
弊社は「老人ホーム紹介センター」として、認認介護をされているご夫婦の施設入居のご相談をいただくことがあります。
例えば、奥さんは短期記憶にトラブルがあり、トイレに行くことを忘れて夜間に失禁してしまったり、
旦那さんはスケジュール管理ができなかったり、お金を払ったことを忘れたり…
こういった状況で二人暮らしを続けるのは、もう難しいですよね。
そのため、「認認介護」状態になった方には施設入居をおすすめしています。
認認介護の施設選びはどうなる?
弊社の相談員は、相談会の場で「本当は、認認介護まで進んだ状態から施設探しを考えるのでは遅い」とお話します。
その理由は「施設選びの難しさ」にあります。
施設探しは労力がかかります。
現在、高齢者が入居する介護施設はさまざまな形態・種類があります。
生活にどれくらいの自由度があるのか、外出できるか、お酒を飲むことはできるか、
提供される食事の種類は豊富か、施設で看護を受けられるか、などなど…
たくさんの施設の中から入居先を選ぶために、まずはご自身の希望を洗い出すことから始まります。
条件が合う施設を調べ、資料を取り寄せます。
何箇所か見学をして、気に入った施設を選んだら、契約の手続きをします。
今のご自宅をどうするか、何を持っていくかなどの入居準備も済ませてから、実際に施設に入れます。
介護度が重くなったり、認知症が進んだ状態では、このような施設探しが自分ではできなくなります。
家族に施設を探してもらったり、後見人を立てて契約する必要が出てきます。
ご本人やご家族に限界がきて「この施設でいいや」と入れる施設にただ入居してしまうと、
施設の特長とご本人の希望が合わず、不便や不満の多い入居生活になってしまう場合があります。
そうならないためにも、
- 施設探しは早いうちから検討する
→自分で希望の施設を探せる余力があるうちから考え始めましょう。 - 頼れるプロに相談する
→施設の情報をたくさん持っているため、希望の施設が見つかる可能性が上がります。
埼玉老人ホーム紹介センターTunaguは、有料老人ホームへのご入居相談を無料で承っております。
埼玉地域にあるご希望の条件に合った有料老人ホームをご紹介いたします。
埼玉県の老人ホーム探しを考え始めたら、Tunaguにぜひご相談ください!
おわりに:脳機能のピークが人間のピーク?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ここからは筆者の個人的な意見になりますが、少しお話させてください。
記事の中で「脳機能は17歳の時点がピーク」とお伝えしました。
びっくりされた方もいるのではないでしょうか。
私も初めて知ったときは「成人前から衰えが始まっていたなんて…」とがく然としました。
しかし絶対に勘違いしてはいけないのは、
「17歳を過ぎたら人間は衰えていく」という意味ではないのです。
最近、オーケストラの指揮者の方からこんな話を聞きました。
「人間は聴きたい音だけ聴いて、それ以外をシャットアウトしてしまう生き物だ。
30歳で初めて指揮をしたときは、オーケストラの楽器の音の一つ一つまでは聴けていなかった。ベテランのバイオリニストに指摘されたこともあった。どうしても聴き落としがあった。
でも何十年指揮してきて今は、一つ一つの音が全部聴こえている。合唱の声まで一人ひとり聴こえている」
17歳をピークには衰えていったとしても、
例えば仕事のスキル、料理の腕、経験からくる知見や人間性など、
積み重ねていく人間としての力は、磨き続けた分だけ成長できることを忘れずにいたいです。